年度末こそ離職リスクが高まる — 3月退職を防ぐために人事が今できること
なぜ3月に退職が集中するのか
厚生労働省「雇用動向調査」によると、3月の離職率は年間で最も高い月の一つです。
年度末に退職が集中する理由は明確です。
- 区切りの良さ — 「年度末で辞めれば引き継ぎもしやすい」という心理
- ボーナス後の決断 — 冬のボーナスを受け取ってから退職を切り出すパターン
- 異動内示への反応 — 4月の人事異動が本意でない場合、異動前に退職を選ぶ
- 転職市場の活況 — 4月入社に向けた求人が最も多い時期
つまり、3月に退職届が出た時点では、すでに手遅れです。2月〜3月上旬の「今」が、人事担当者にとって最後の介入チャンスになります。
研究が示す退職予兆の3つのサイン
人事領域の研究や厚生労働省の調査から、退職者に共通する予兆パターンが明らかになっています。いずれも部署単位で観察できる兆候であり、日常の変化に注意を向けることで把握が可能です。
サイン1:「成長実感」の喪失
エン・ジャパンの退職理由調査では、20代〜30代の退職理由の上位に「成長できる環境がなかった」が挙がっています。「この会社にいても成長できない」という感覚は、本人が退職を決意する2〜3ヶ月前から態度や発言に表れ始めます。新しい業務への意欲低下、会議での発言減少など、周囲が気づける変化です。
サイン2:上司との関係悪化
厚生労働省「雇用動向調査」では、離職理由として「人間関係」が常に上位です。特に上司との関係が悪化している従業員の離職リスクは顕著に高まります。Gallup社の調査でも「直属の上司との関係」が離職意向に最も強く影響する要因とされています。
サイン3:エンゲージメント行動の減少
最も見落とされがちなサインです。社内イベントへの不参加、会議での沈黙、提案や改善活動への関与低下——こうした「静かな離脱(Quiet Quitting)」の兆候は、退職届が出る前の典型的なサインです。部署全体でこうした傾向が見られたら、組織的な問題を疑うべきです。
今週中にできる3つの具体策
1. ストレスチェック組織分析の「部署別ランキング」を確認する
今年度のストレスチェック結果をもう一度開いてください。全社平均ではなく、部署別に「心身のストレス反応」「仕事のストレス要因」「周囲のサポート」の3軸でワースト3部署を特定します。
このワースト3部署が、3月退職のリスクが最も高い部署です。まずはこの部署の管理職に声をかけることから始めましょう。
2. 管理職に「3月面談」を1回だけ依頼する
大がかりな施策は不要です。リスクの高い部署の管理職に、「3月中にメンバー全員と15分ずつ話してください」と依頼するだけです。
面談のテーマは「4月以降のキャリアについて」。異動希望の有無、現在の業務への満足度、困っていることがないか。この3点を聞くだけで、退職予備軍の多くは「聞いてもらえた」と感じて踏みとどまります。
重要なのは、面談の実施状況を人事が追跡することです。「依頼して終わり」では効果が半減します。Excelでもスプレッドシートでも構いません。「誰が」「いつ」「何人と」面談したかを記録し、未実施の管理職にはリマインドを出しましょう。
3. 来年度のコンディション分析を今のうちに設計する
年1回のストレスチェックだけでは、3月退職の予兆は捉えられません。来年度は月次のコンディション分析を併用することで、退職予兆を2〜3ヶ月前にキャッチできるようになります。
4月開始のためには、3月中に設問設計と対象部署の選定を完了させる必要があります。今週中に着手すれば、十分間に合います。
「やって終わり」のストレスチェックを変えるなら、今
3月は年度末の忙しさで、人事施策が後回しになりがちです。しかし、退職届は忙しい時ほど出てきます。
今年度のストレスチェック結果を「見て終わり」にせず、3月退職の防止に活かす。そして来年度からは、コンディション分析を組み合わせて日常的に変化を追跡する。
この2つを実行するだけで、来年度の離職率は確実に変わります。
COCKPITOSは2026年4月に正式リリースを予定している、離職予防を軸にした人事プラットフォームです。ストレスチェック組織分析とコンディション分析(パルスサーベイ)を組み合わせ、年1回のストレスチェックだけでは追えない日常の変化を部署単位で追跡できる仕組みを提供します。
来年度のストレスチェック実施や離職予防の取り組みにご関心がある方は、サービス紹介をご覧いただくか、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。
3月17日・18日「働き方の祭典2026」(福岡)にもブース出展します。 離職予防プラットフォームのデモ体験、ストレスチェック乗り換え相談を承ります。COCKPITOSブースの詳細はこちら
参考文献・データソース
- 厚生労働省「雇用動向調査」
- エン・ジャパン「退職理由のホンネとタテマエ 調査」
- Gallup「State of the Global Workplace Report」
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