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ストレスチェック社内規程の作り方 — 衛生委員会付議から必須記載事項テンプレートまで

ストレスチェック社内規程の作り方 — 衛生委員会付議から必須記載事項テンプレートまで

はじめに

ストレスチェックを実施するにあたり、「社内規程(実施規程)を作るよう言われたが何を書けばいいか分からない」「衛生委員会でどう審議すればいいか不明」という声は担当者に多く見られます。

労働安全衛生法および関係指針では、ストレスチェックの実施方針を事前に衛生委員会等で審議・決定し、文書化することが求められています。この社内規程は、労基署の調査や産業医面談の際に提示を求められることもあるため、内容の整備は必須です。

本記事では、社内規程に必要な記載事項と、衛生委員会での審議の進め方を実務的に解説します。


1. なぜ社内規程が必要か

法令上の根拠

「心理的な負担の程度を把握するための検査及び面接指導の実施並びに面接指導結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針」(ストレスチェック指針)では、事業者がストレスチェックを実施する���あたって以下を事前に衛生委員会等で審議し、文書化することを定めています。

  • 実施方法(調査票・実施体制・受検方法)
  • 実施時期・頻度
  • 高ストレス者への面接指導の実施方法
  • 集団分析の実施方法と活用方針
  • 個人情報の取扱い方針

実務上のメリット

規程を整備することで: - 毎年の実施方針がぶれなくなる(担当者が替わっても運用継続できる) - 従業員への説明が一元化できる(「規程に基づいて実施しています」) - 労基署調査・産業医選任変更時の確認が容易になる


2. 衛生委員会での審議の進め方

審議のタイミング

ストレスチェックの実施前に衛生委員会で審議・決定します。年1回の定期実施であれば、実施の2〜3ヶ月前を目安に議題に上げます。

審議事項の提出方法

人事・総務担当者が「ストレスチェック実施計画(案)」を作成し、衛生委員会に提出します。

議案として提出する内容:

審議事項 提案内容の例
実施時期 毎年10月1日〜31日の1ヶ月間
使用調査票 職業性ストレス簡易調査票(57項目版)
実施体制 実施者:○○先生(産業医)/ 実施事務:人事部
受検方法 Webシステム(○○社のシステムを使用)
高ストレス者の選定基準 素点換算表による高ストレス者基準に準拠
面接指導の申出方法 結果通知から1ヶ月以内に産業医へ申出
集団分析の実施 10名以上の部署・職種別で実施

議事録の保存

衛生委員会の審議結果は議事録に記録し、3年間保存します(労働安全衛生規則第23条)。


3. 社内規程の必須記載事項と記載例

規程の構成(テンプレート)

以下は標準的な社内規程(実施規程)の構成です。


【ストレスチェック実施規程 記載例】

第1条(目的)
本規程は、労働安全衛生法第66条の10に基づき、従業員の心理的な負担の程度を把握するための検査(ストレスチェック)の実施に関する事項を定める。

第2条(実施体制)
ストレスチェックは以下の体制で実施する。
① 実施者:産業医 ○○ ○○(資格:医師)
② 実施事務担当者:人事部
③ 共同実施者(委託する場合):○○株式会社

第3条(実施時期・頻度)
年1回、毎年10月に実施する。

第4条(使用する調査票)
職業性ストレス簡易調査票(57項目版)を使用する。

第5条(受検方法)
Webシステムを使用して受検する。受検に必要なURLおよびIDは、実施事務担当者から受検者に通知する。

第6条(受検の任意性)
ストレスチェックの受検は任意であり、受検しないことを理由として不利益な取扱いは行わない。

第7条(結果の通知)
検査結果は、受検者本人に直接通知する。事業者は本人の同意なく個人の検査結果を入手しない。

第8条(高ストレス者の選定と面接指導)
① 実施者は検査結果に基づき高ストレス者を選定し、面接指導の対象者を本人に通知する。
② 面接指導を希望する者は、結果通知から1ヶ月以内に人事部へ申出を行う。
③ 申出を行った者に対して、産業医による面接指導を実施する。

第9条(事業者への情報提供)
本人の同意がある場合のみ、実施者から事業者に個人の検査結果を提供する。同意の取得は書面または電子的方法で行う。

第10条(集団分析)
実施者は10名以上の集団について集計・分析を行い、その結果を事業者に提供する。事業者は結果を職場環境の改善に活用する。

第11条(個人情報の保護)
① 検査結果は受検��本人にのみ帰属し、事業者は業務目的以外に使用しない。
② 検査結果は受検完了から5年間保存し、その後は適切に廃棄する。
③ 実施事務担当者はセキュリティ管理されたシステムで結果を管理し、無関係の者がアクセスできないようにする。

第12条(不利益取扱いの禁止)
① 受検の有無、受検結果、面接指導の申出の有無を理由とした不利益な取扱いを行わない。
② 面接指導後の就業上の措置は、医学的見地に基づき必要最小限の範囲で行う。

第13条(規程の改廃)
本規程の改廃は、衛生委員会の審議を経て行う。

附則:本規程は○年○月○日より施行する。


記載時の注意点

1. 実施者名を具体的に記載する
「産業医が行う」ではなく「産業医○○先生(医師)が行う」と具体的に記載します。外部委託の場合は委託先名も明記します。

2. 同意取得の方法を明確にする
「事業者への情報提供の同意」をどのように取得するかを具体的に定めます(書面 / システム上での同意ボタン / メール返信など)。

3. 外国語対応の有無を記載する(外国人従業員がいる場合)
調査票の外国語版を使用する場合は、「○○語・○○語での受検を可能とする」と記載します。

4. 5年間の保存義務
ストレスチェック結果の保存は法令上の義務です(安全衛生規則第52条の13)。規程にも保存期間と保存方法を明記します。


4. 規程策定後の対応

従業員への周知

規程策定後は、全従業員に以下の内容を周知します。

  • ストレスチェックの目的と実施時期
  • 個人結果は会社に開示されないこと
  • 受検しないことで不利益は生じないこと
  • 高ストレスと判定された場合の面接指導の方法

周知方法:全社メール・イントラネット掲載・入社時の説明資料への組み込み

年次見直し

実施体制の変更(産業医の交代・委託先の変更等)があった場合は、規程を速やかに改定し、衛生委員会で再審議します。年1回の定期見直しを実施スケジュールに組み込むことを推奨します。


まとめ

���目 ポイント
衛生委員会での審議 実施の2〜3ヶ月前に計画案を提出。議事録を3年保存
必須記載事項 実施体制・時期・調査票・高ストレス者対応・個人情報保護・不利益取扱い禁止
実施者の明記 氏名・資格を具体的に記載(外部委託の場合は委託先名も)
保存期間 5年間(安全衛生規則第52条の13)
見直しタイミング 体制変更時・年1回の定期見直し

社内規程は「作って終わり」ではなく、実際の運用と整合していることが重要です。規程の内容と実際の実施方法が乖離していると、労基署調査時に指摘を受ける原因になります。

初めてのストレスチェック全体の流れについては初めてのストレスチェック完全ガイドもご覧ください。

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