2028年ストレスチェック義務化を顧問先支援の商機に — 社労士・税理士が「実施者つきツール」を勧めるという選択肢
- 2028年4月から全事業所にストレスチェック義務が拡大(厚労省)=顧問先の中小企業が体制整備に迫られる
- 論点は「士業が実施者になれるか」ではなく、実施者が担う『実施者つきツール』を顧問先に勧められるか
- 実施者つきツールなら、顧問先は実施者を別途手配せず義務対応の体制を整えやすい
- 義務対応で終わらせず、集団分析・パルス・1on1で離職予防まで広げると事務所の付加価値になる
- 個人のSC結果を離職予測・人事評価に使わない(労安法66条の10)
はじめに — 顧問先の「2028年問題」は士業の提案機会
2025年5月14日公布の改正労働安全衛生法により、50人未満の事業場も対象となり、施行日は政令で2028年4月1日と定められています。これまで努力義務だった多くの中小企業が、初めて「毎年やらなければならない制度」と向き合うことになります。
その中小企業の多くは、社労士・税理士にとっての顧問先です。産業医がいない、実施者を誰に頼めばいいか分からない、費用が読めない——顧問先がこうした不安を抱えるとき、最初に相談する相手は、日ごろ付き合いのある士業です。ここに提案機会があります。
本記事では、社労士・税理士が顧問先の義務対応をどう支援できるか、その現実的な選択肢である「実施者つきツールを勧める」という考え方を解説します。
1. 論点は「実施者になれるか」ではない
ストレスチェックには「実施者」という役割が法律で定められています。実施者になれるのは、医師・保健師、および所定の研修を修了した看護師・精神保健福祉士・歯科医師・公認心理師です。社労士・税理士はこれに含まれません。
ただ、この点を長く説明する必要はありません。士業のみなさんは「自分が実施者になれない」ことを十分ご存じです。本当の論点は別にあります。
顧問先に、実施者が担うストレスチェックツールを、そのまま勧められるか。
これができれば、士業自身が実施者になれなくても、顧問先は義務対応の体制を整えられます。士業は労務・体制面の支援という本来の役割にとどまりながら、顧問先の課題解決に貢献できます。
2. 「実施者つきツール」という選択肢
実施者つきツールとは、医師・保健師・精神保健福祉士などの有資格の実施者が実施・運用を担うストレスチェックサービスのことです。顧問先がこうしたツールを導入すれば、実施者を別途探して契約する手間をかけずに、法令上の実施体制を整えやすくなります。
社労士・税理士から見ると、実施者つきツールには次の利点があります。
- 手配の負担を顧問先に負わせない: 「実施者はこのツールに含まれています」と案内できる
- 士業は本来の役割に集中できる: 規程整備・労務相談・スケジュール管理など、法対応の支援に専念できる
- 顧問先の安心につながる: 「先生の勧めるものなら」という信頼で導入が進みやすい
COCKPITOSは、有資格の実施者が担うプランを備えたストレスチェックに対応しています。実施者の手配・集団分析・面接指導の調整までを含めて設計されており、顧問先が単体で抱え込まずに義務対応を進められます。ストレスチェックの外部委託方式の全体像はストレスチェック外部実施機関の比較と選び方もご参照ください。
3. 顧問先にどう切り出すか — 案内から導入までの実務ステップ
実施者つきツールという選択肢が見えても、顧問先にどう話を持っていくかで迷うことがあります。難しく構える必要はなく、日ごろの顧問業務の延長として進められます。
- 対象状況の棚卸し: 顧問先の従業員数・現在の実施状況・産業医の有無を確認します。50人未満で「これまで実施したことがない」顧問先ほど、2028年に向けた準備の価値が大きくなります。
- 早めの情報提供: 2028年4月は「まだ先」に見えますが、初年度は制度理解・社内周知・受検・面接指導まで一連の流れを回す必要があります。準備期間を確保できるほど、顧問先は慌てずに対応できます。
- 実施者つきツールの案内: 「実施者はこのツールに含まれている」と伝え、顧問先が実施者を別途手配しなくてよいことを説明します。ここで士業自身が実施者になる必要はありません。
- 導入後の伴走: 受検後の集団分析の読み解きや、翌年に向けた改善の話し合いまで一緒に進めます。
ストレスチェックは「受検して終わり」ではなく、高ストレス者への面接指導の案内まで含めた年間の運用があります。実施者つきツールを使えば、この運用面の多くを実施者側が担うため、顧問先も士業も本来の役割に集中できます。
4. 義務対応で終わらせず、離職予防まで広げる
ストレスチェックを「毎年やる法対応」で終わらせると、顧問先にとっては費用のかかる年中行事になりがちです。ここで士業が一歩踏み込めると、事務所の付加価値になります。
鍵は集団分析です。ストレスチェックの集団分析(10名以上)で職場のストレス傾向を可視化し、パルスサーベイ・1on1・スキルマップと組み合わせれば、法令対応から職場環境改善・定着支援まで広げられます。人手不足で採用が難しい時代、顧問先にとって「辞めさせない支援」は採用支援と同じくらい価値があります。
なお、顧問先が小規模で受検者が10名未満の場合でも、個人が特定されないよう実施者の管理と衛生委員会の記録のもとで集団分析を弾力的に扱う運用があります。従業員数の少ない顧問先が多い士業ほど、この点を押さえておくと相談に答えやすくなります。
社労士・税理士が顧問先に離職予防をどう提案するかは、税理士・社労士の付加価値サービスとしての離職予防、社労士が顧問先にストレスチェック対応を提案する方法でも詳しく解説しています。
⚠️ ひとつだけ守るべき線引きがあります。個人のストレスチェック結果を、離職予測や人事評価の材料に使うことはできません(労働安全衛生法第66条の10の趣旨)。離職予防に使ってよいのは、あくまで集団単位の傾向分析です。
5. パートナーとして継続的に関わるという形
顧問先にツールを一度勧めて終わりではなく、継続的に関わる仕組みを持つと、支援は事務所のサービスとして定着します。COCKPITOSでは、士業のみなさんが顧問先を紹介し、導入後も伴走できるパートナーの仕組みをご用意しています(詳細はパートナープログラムをご覧ください)。
顧問先の義務対応を入り口に、集団分析の読み解きや定着支援まで一緒に伴走することで、「毎年の法対応をお願いする事務所」から「組織の課題に寄り添う事務所」へと、顧問先との関係を深めていけます。
まとめ
2028年4月の全事業所義務化は、顧問先の中小企業にとっては新しい負担ですが、社労士・税理士にとっては提案機会です。ポイントを整理します。
- 論点は「士業が実施者になれるか」ではなく、実施者つきツールを勧められるか
- 実施者つきツールなら、顧問先は実施者を別途手配せず義務対応の体制を整えやすい
- 集団分析・パルス・1on1で離職予防まで広げると事務所の付加価値になる
- 個人のSC結果は離職予測・人事評価に使わない(66条の10)
- パートナーとして継続的に伴走することで顧問先との関係が深まる
顧問先の「2028年問題」を、事務所の新しい提案領域に変えていきましょう。
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COCKPITOSは、有資格の実施者が担うストレスチェックから、集団分析・パルスサーベイ・1on1・スキルマップまでを統合した離職予防プラットフォームです。顧問先の義務対応を、定着支援まで含めた事務所の付加価値へ。