社労士のための定着支援の提案書テンプレート — 顧問先への提案と、紹介後の役割分担

社労士のための定着支援の提案書テンプレート — 顧問先への提案と、紹介後の役割分担

はじめに

顧問先の経営者から「また一人辞めてしまって」と相談を受けることは、珍しくないはずです。人が辞めることへの悩みは、手続きの相談よりも深いところにあり、日頃から顧問先の事情を知る社労士だからこそ聞ける話でもあります。

本記事では、顧問先にストレスチェックを入口とした職場づくりの支援を提案するためのテンプレートとトーク例を紹介します。あわせて、COCKPITOSのパートナー制度で顧問先をご紹介いただく場合の、紹介後の役割分担、顧問先との関係の保ち方、専門的な質問の引継ぎ先も整理します。


1. なぜ社労士が提案しやすいのか

① 法定業務との接点がある

ストレスチェックは労働安全衛生法に基づく制度です。厚生労働省は、2025年5月に公布された改正労働安全衛生法により、令和10年(2028年)4月1日から、労働者数50人未満の事業場にもストレスチェックが義務化されると公表しています(出典:厚生労働省「ストレスチェック制度」関連ページ)。法対応の相談の延長として、自然に話を切り出せます。

② 顧問先の事情を知っている

入退社の手続きや労務相談を通じて、顧問先の人の出入りや職場の悩みを知っているのは社労士の強みです。どの顧問先に、どの順番で話を持っていくかを判断できます。

③ 経営者との信頼関係がある

経営者が法律の専門家として相談してくれる関係は、新しい取り組みを提案するときの土台になります。


2. 提案書テンプレート

以下はそのまま使える骨組みです。○の部分は顧問先の実数や顧問先と決めた目標で埋めてください。当社や事務所が数値の改善を約束するものではありません。

表紙

[顧問先名] 様

働き続けたい職場づくりのご提案
― ストレスチェックを「実施して終わり」にしないために ―

[事務所名]
[日付]

ページ1:現状の整理

■ 御社の状況(顧問先の実数で記入)
- 直近1年間の退職者数: ○名
- 従業員数: ○名(事業場ごと: ○名)
- ストレスチェックの実施状況: 未実施/実施中(委託先: ○)

■ 退職が起きたときにかかっているもの(顧問先と一緒に洗い出す)
- 求人・採用にかかった費用と時間
- 引継ぎ・教育にかかった時間
- 残った社員の業務負担

■ 法対応
- 2028年4月1日から、50人未満の事業場にもストレスチェックが義務化
  (出典: 厚生労働省)

費用の試算を入れる場合は、「仮に1名あたり○万円とすると」のように仮定であることを明記し、顧問先自身の数字で計算します。

ページ2:進め方の提案

■ 段階的な進め方

Step 1: 測る
  → ストレスチェックを実施し、契約プランに含まれる集団分析で状態を見る
     (SC単発は基本集団分析(全社1枚)。部署別の詳細分析・
       経年比較などの組織分析はバンドルの対象)
     (結果は本人へ直接通知。本人の同意なく事業者へ提供しない。
       COCKPITOSの企業側画面には個人結果を表示しない)
     (集計の人数条件は在籍人数ではなく有効な回答数で確認)

Step 2: 変化を見る
  → パルスサーベイを定期的に実施
     (回答は匿名。結果は部署単位で集計)
  → 年1回のストレスチェックでは拾いにくい、部署の変化を見て
     話し合うテーマを考える

Step 3: 話す・育てる
  → 1on1の記録と振り返り
  → スキルマップで仕事に必要なスキルを見える化
  → 研修の受講・修了を記録し、スキルマップへ反映
     (修了と、実際の仕事でできるようになったことは、
       面談等で分けて確かめる)

※ SC単発には基本集団分析(全社1枚)が含まれます。部署別の詳細分析・経年比較などの組織分析はバンドルの対象です。個人が特定されない集計単位と、契約プランに応じて確認できる範囲を事前に確認します。人数条件は在籍人数ではなく、実際に受検した有効なデータ数で確認します。少人数の集団では個人を特定できない分析方法・表示範囲を実施者と確認します(厚生労働省リーフレット(2026年7月))。COCKPITOSの画面表示と5〜9名の運用は、確認済みの製品仕様を別途ご案内します。

※ 部署の数値は「話し合うきっかけ」です。誰が辞めそうかを予測するものではありません。

ページ3:費用と振り返り

■ 費用
  料金ページの公開価格に基づき、御社の人数でお見積もり
  (https://cockpitos.ai/pricing)

■ 振り返りの目安(顧問先と決める)
  - ストレスチェックの受検率
  - 集団分析の結果を受けて、職場で話し合った回数
  - 1on1の実施状況
  - ○ヶ月後に、進め方を一緒に見直す日: ○月○日

3. 提案トーク例

切り出し

「○○社長、2028年4月1日から、50人未満の事業場でもストレスチェックが義務になると厚生労働省が公表しています。御社の事業場も対象になりますので、そろそろ準備の話をしておきませんか。」

課題の確認

「先日、退職された方がいたとお聞きしました。差し支えなければ、この1年で何人くらい辞めていて、採用や引継ぎにどのくらい手間がかかったか、一度一緒に書き出してみませんか。数字にすると、何から手をつけるかが見えやすくなります。」

段階的な提案

「まずは法律で求められるストレスチェックから始めませんか。個人結果は企業側の画面には表示されません。まず契約プランに含まれる集団分析を確認し、部署別の詳細分析が必要かを一緒に整理しましょう。そのうえで、必要なら匿名のパルスサーベイで部署の変化を見ていく、という順番がおすすめです。」

紹介につなぐ

「実施者つきでストレスチェックを実施できるCOCKPITOSというサービスがあります。導入設定や結果の分析、専門的な質問への対応はCOCKPITOSが担当しますので、一度説明を聞いてみませんか。私も最初の打ち合わせに同席します。」


4. 料金と導入の順序について

料金は料金ページに公開しています(税抜)。提案時は必ず最新の料金ページをご確認ください。

  • 従業員50名未満の企業:ストレスチェック単発利用・単品モジュール(1on1・パルスサーベイ・スキルマップ)・バンドルから選択
  • 従業員50名以上の企業:6サービス(ストレスチェック・外部相談窓口・1on1・スキルマップ・研修管理・パルスサーベイ)のバンドルでのご提供(単品販売なし)
  • 金額は料金ページに掲載(税抜)
  • SC単発には基本集団分析(全社1枚)が含まれます。部署別の詳細分析・経年比較などの組織分析はバンドルの対象です。個人が特定されない集計単位と、契約プランに応じて確認できる範囲を事前に確認します。

50名以上の企業は6サービスをまとめてご契約いただく形で、1サービスずつ購入する形ではありません。そのうえで、運用は一度に全部を始めなくてかまいません。ストレスチェックから始め、顧問先の準備に合わせて使うサービスを広げていく進め方ができます。

段階 使い始めるもの 顧問先にとっての位置づけ
1 ストレスチェック 法対応。契約プランに含まれる集団分析で状態を見る(部署別の詳細分析・経年比較はバンドルの対象)
2 +パルスサーベイ 匿名・部署集計で、年1回では拾いにくい変化を見る
3 +1on1・研修管理 職場で話し合い、育てるための記録と管理
4 +スキルマップ 仕事に必要なスキルと成長を見える化

なお、研修管理はソフトウェアの機能であり、研修そのものの実施は含まれません。


5. 紹介後の役割分担

COCKPITOSのパートナー制度では、紹介後の役割を次のように分けています(パートナー制度に掲載の内容です)。

先生にお願いすること COCKPITOSが引き受けること
顧問先へのご紹介と初回のお引き合わせ ご提案と導入設定
アカウント発行のお手伝い システムの運用・保守
使い始めのご説明 結果の分析・報告
最初のお問い合わせの受付 専門的なお問い合わせへの対応

ご紹介のあとも、先生には使い始めの最初の窓口をお願いしています。顧問先にとって、よく知っている先生が最初の疑問を受け止めてくれることは、安心して使い始めるうえで大きな意味があります。


6. 顧問先との関係の保ち方

顧問先にとっての一番の相談相手は、これからも先生です。紹介したあとも、関係を保つために次の点を意識しておくとよいでしょう。

  • 契約は顧問先とCOCKPITOSの間で結びます。事務所が顧問先の分をまとめて契約・管理する形ではありません。
  • 法律では、本人の同意なく個人結果を事業者へ提供することが禁じられています(労働安全衛生法 第66条の10、厚生労働省 改正労働安全衛生法Q&A)。COCKPITOSでは企業側の画面に個人結果を表示しない仕様です。パートナーの閲覧範囲は、確認済みの権限に応じてご案内します。顧問先への説明でも、この点をはっきり伝えると信頼につながります。
  • 労務の相談はこれまでどおり先生へ。就業規則の見直しや衛生委員会の運営など、集団分析の結果から出てくる労務面のテーマは、先生の専門領域です。
  • 最初の打ち合わせに同席する。顧問先が「知らない会社に任された」と感じないよう、初回は先生から当社を紹介していただく形をおすすめしています。

7. 専門的な質問の引継ぎ先

使い始めの最初の問い合わせを先生が受けたとき、どこへつなげばよいかの目安です。

顧問先からの質問の例 引継ぎ先
ログインや受検の案内の出し方など、使い始めの基本操作 先生が一次受付(分からない点はCOCKPITOSへ)
システムの設定・不具合 COCKPITOS
ストレスチェックの実施方法、結果や集団分析の読み方 COCKPITOS(実施者)
高ストレス者の面接指導 医師(産業医等)
就業規則・労務管理・衛生委員会の運営 先生
報酬・契約条件に関すること COCKPITOSのパートナー窓口

「どこまで先生が答えるか」に迷ったら、無理に答えずCOCKPITOSへつないでください。専門的なお問い合わせへの対応は、COCKPITOSが引き受けます。


8. パートナー登録の前に確認すること

紹介制度の報酬や参加条件、契約内容は、パートナー相談で個別にご案内しています。記事やLPに掲載していない条件については、相談の場で直接ご確認ください。

  • 紹介料の仕組みと支払い条件
  • 参加条件と契約内容
  • 初回窓口として先生にお願いする範囲の詳細

まとめ

  • 2028年4月1日からの50人未満事業場への義務化は、顧問先と職場づくりの話を始めるきっかけになります。
  • 提案書の数字は、顧問先の実数と、顧問先と一緒に決めた目標で埋めます。
  • 紹介後は、先生が「ご紹介と使い始めの最初の窓口」、COCKPITOSが「導入設定・運用・分析と専門的なお問い合わせ」を担います。
  • 顧問先にとっての一番の相談相手は、これからも先生です。

顧問先へのご紹介について相談する → パートナー制度/パートナー相談のお問い合わせ

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✍️ この記事を書いた人

一木 信輔 | COCKPITOS株式会社 代表取締役CEO

社会保険労務士/精神保健福祉士・ストレスチェック実施者10年。各媒体で違う角度から発信しています。フォローはこちら:

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